スポンジ・ボブ

昼食のあとでぼんやりテレビを眺めていると、彼女は不意に「知ってた? スポンジ・ボブって海綿体なんだって!」と、どこからか仕入れてきたらしい少し間違ったトリビアを自慢げに言い放った。
二人の間にあるテレビ画面は「とびだせ!科学君」の再放送を映し出していた。
僕はなるべく冷静を装って「・・・それ、あんまり人前で言わない方がいいよ」と、さりげなく注意した。
やがて海にいる水生生物の名前と、それに「体」がつく人体の組織名との違いに気づいた彼女は、きまりの悪そうな顔をしたので、二人で笑ってその場をごまかした。
あとでグーグルで調べてみたら、AmazonのDVDに「海綿体の少年 スポンジ・ボブ(キネマ旬報社)」って説明が堂々と書いてあったので、「勘違いしてたのは俺のほうか!?」って思ってちょっと(いや、かなり)動揺した。