デジタル礼賛

昼食がてらに楽器屋へフラフラと迷い込んでみますと、春が近いせいかデジタルピアノがたくさん並んでまして、それはどうでもいいんですが、隣の売り場でどうでも良くないマシンを発見してしまいガマンならなくなりました。
たしかこんなマシンだったと思いますが、デジカメでおなじみのスマートメディアで「MTRつくってみました」的マシンであります。こんなもんが衝撃プライス24800ですよ!奥さん。
「オレの若いコロはテープを・・・」なんて話をしたいワケじゃないんですが、なんだか夢を見ているような気分です。
テープが廻るわけでもなくディスクが回転するわけでもない、何一つ動かないシリコンの板に音を刻んでいき、そしてシリコンの上に展開されたシーケンスデータに指揮された、これまたシリコンに焼きつけられた楽器の波形と寸分違わずシンクロし、下手したら全てデジタルデータのまま演奏がDATへ記録されていく…。
ムムウ。
驚くことじゃナイのかも知れないですな。俺の仕事だって製作から納品まで(納品後も)一度もプリントアウトされないのは珍しいことじゃないし、デジカメだって紙焼きまでする人はきっと少ないでしょう。
もういいです。
このままドンドン突っ走ってください。
最終的には、映像は視神経からダイレクトにデジタルインプット、音や文字は脳からダイレクトにデジタルインプット。
そして編集は現在の技術で充分だけど、アウトプットはやっぱりデジタルto脳ミソ。鼓膜を震わせたり、網膜に光を当てたりするのはダメです。どうしたって空気中で劣化します。
こうなるともはや完璧です。
脳内再生といえども見たり聴いたりするのは時間がかかってメンドクサイという向きには、直接「記憶」として脳ミソにストレージされるとさらに完璧ですね。
見てもいない映画の話が、初対面の人とでも出来ます。
「ああ、アレ良かったね。まだ見てないんだけど。」
なんちて。