Monthly Archives: June 2008

左手

小説を読んでいて、左手に感じる残りページが少なくなると、
途端に気持ちがドキドキしはじめて、内容が頭に入ってこなくなる。
僕だけだろうか。

昼下がりに駅前のビルの展望室から、街の上を忙しそうに旋回している鳩の群れを眺める。
曇空の下を思ったより低い高度で、左回りに、飽きもせず同じ軌跡をなぞり続けていた。
あれは運動なのか?習性なのか?餌探しなのか? やはり僕も飽きもせずに鳩を観察していた。
帰りにそのあたりを通りかかると二階建ての民家の屋上に、レース鳩用と思われるゲージが口を開けていた。
土鳩より幾分肥えた、白い鳩と目が合った。